妊娠がわかると、喜びや期待に胸を弾ませる一方で、不安を感じることがあると思います。初めての妊娠であれば、身体や体調の変化など今まで体験したことのない状況ばかりで、どうしたらいいのかわからなくなることも少なくありません。さらに、妊娠中に知っておきたいことや避けておきたいことまで様々な情報があるため、正しい知識を抑えることが必要です。
本記事では、妊娠から出産までの流れや、妊婦さんが押さえておくべきポイントをテーマに分けて解説します。
1.妊娠から出産までは約40週|妊娠週数の数え方
妊娠がわかると、出産までは約40週ほどかかると一般的に言われています。医療機関では最終月経が始まった日から週数をカウントするため、生理が遅れたことを機に産婦人科を受診すると、思っていたよりも妊娠してから時間が経っていたという場合もあります。週数によって赤ちゃんの成長具合や、つわりなどの体調の変化が異なるため、まずはその仕組みを理解することが大切です。妊娠初期は胎芽と呼ばれる段階です。胎盤が形成され始めるころには、赤ちゃんに必要な栄養が胎盤を通して少しずつ届けられるようになります。妊婦健診に通ったり自分の妊娠してから何週経ったのかを把握しておくことで、生活リズムや体調の管理にも役立ちます。
妊娠がわかったら、まずは産婦人科に相談し、自分の正確な週数を確認することからスタートしてみることが重要です。
2.妊娠したら準備すべきこと・知っておきたいこと
妊娠がわかったら、市区町村の役所に妊娠届を提出して「母子健康手帳」を受け取るのが一般的な流れです。母子健康手帳は妊婦健診の結果を記録するだけではなく、赤ちゃんが産まれてからも育児に役立つ情報が詰まった大切な手帳です。さらに、健康保険組合や自治体の制度を活用すれば、助成金を受け取れる場合があります。妊娠中の夫婦に対して、自分の住んでいる地域ではどのようなサポート制度があるのかをよく確認すると安心です。また、里帰り出産を考えているのであれば、早めに助産院や産婦人科がある総合病院などを探して、予約しておくことが大切です。また、働いている人であれば職場への報告のタイミングを見計らったり、配偶者が妊婦をサポートできるように話し合ったり、妊娠・出産に向けた環境づくりも欠かせません。妊娠期間はあっという間に過ぎることも多いので、出産後に困らないよう、無理なく準備を進めておくと安心です。
3.妊娠中のママのカラダに起こりやすいこと
妊娠が進むにつれ、体にさまざまな変化が起こるようになります。つわりに苦しむ方もいれば、つわりが軽い方もいるため、その個人差は大きいです。さらに、大きくなった子宮が周りの臓器を圧迫することで、お通じのリズムが崩れやすくなったり、体がむくむこともあります。血流の量が増えて貧血気味になることや、体重が急に増えて腰や膝に負担がかかる場合もあります。妊娠前には感じることのなかった症状が次々と現れると戸惑うこともありますが、疑問や不安を感じたら産婦人科医に相談することが大切です。妊婦さんの体に起こる変化は赤ちゃんが成長している証でもあるため、余裕を持って向き合うことができるとベストです。
4.妊娠したらやめるべき生活習慣
妊婦さんの身体は赤ちゃんと深いつながりがあるため、妊娠がわかったら生活習慣を見直さなくてはいけません。例えば、アルコールの摂取は赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼす可能性があるといわれており、妊娠中は断酒が必要です。喫煙も同様に、赤ちゃんが育つことを妨げるリスクが高いとされているため、身近に喫煙者がいる場合は受動喫煙にならないように、気をつけなくてはいけません。さらに、カフェインを大量に摂取すると、赤ちゃんや妊婦さんの体へ影響を及ぼすため、コーヒーや緑茶の飲み過ぎには注意が必要です。禁じられるものが多く大変な時期ではありますが、リラクゼーションや軽いストレッチなどを取り入れて、リフレッシュを忘れないことが大切です。
5.妊娠初期は流産に注意
妊娠初期は、赤ちゃんがまだ安定していない時期のため、流産のリスクが高いです。統計的にも、妊娠初期に流産してしまう可能性は一定数認められています。染色体に異常が起きてしまったり、受精卵がうまく着床できなかったりと、さまざまな原因があります。激しい腹痛や出血があった場合には速やかに病院へ行き、正しく対処することが重要です。流産しないように気をつけていても、残念ながら防げないケースもありますが、身体をいたわりながら安定期に入るまで慎重に過ごすことが大切です。特に、無理なスケジュールや疲労が続き、身体が悲鳴をあげそうになったら、周りの人に仕事や家事を分担したり、体を休めるなどして、自身の体を優先的に守る必要があります。万が一の場合でも自分を責めすぎないよう、精神面におけるケアも欠かせません。
6.ママと赤ちゃんのために「妊婦健診」を受けましょう
妊娠届を提出すると自治体から妊婦健診の受診票を受け取ることができ、健診費用を一部負担してもらえます。定期的に健診を受けることで、赤ちゃんがどれくらい成長しているか、妊婦さんの体調に問題はないか、チェックすることが可能です。健診では超音波検査や血液検査だけでなく、体重測定や血圧測定を行い、「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」などの病気をかかえていないか、早期に発見することができます。また、妊娠中期以降は常に自身の体調に変化が起こっているため、健康上のトラブルに気づきにくい時期です。そのため、医師や助産師からのアドバイスを受けながら、安全に日常生活を過ごすことが欠かせません。母子ともに健康を守るうえでの大切な機会なので、検診日を忘れずに、できるだけ通院することが重要です。
7.新型出生前診断(NIPT)受診も視野に入れよう
妊娠中期のタイミングで、「新型出生前診断(NIPT)」という検査を視野に入れることも大切です。「新型出生前診断(NIPT)」は、母体の血液を採取して赤ちゃんの染色体異常を調べる検査であり、精度が高いと言われています。ダウン症などの先天的な病気がある可能性を発見することができます。結果によっては、さらなる検査が必要になることもあるため、事前に検査のメリットやリスクを十分に理解しておくことが重要です。また、検査を受けることで心理的に負担を感じる場合もあるため、パートナーや医師とよく話し合いながら判断することが望ましいです。