コラム

妊娠中にカフェインを摂取しても大丈夫?

妊娠中の食事、どのくらい意識していますか?

 

妊娠中に摂取する食べ物や飲み物は、赤ちゃんの健康にも大きな影響があるため、気を配らなければなりません。その中でも、妊婦さんが気をつけるべき成分が「カフェイン」です。普段飲んでいるコーヒーや紅茶、エナジードリンクにはカフェインが含まれており、気づかないうちに摂取量が増えてしまうこともあります。

 

本記事では、妊娠中にカフェインを摂取することで胎児に与える影響やリスクについて説明します。

 

1. 妊娠中のカフェイン摂取は大丈夫?

妊娠中にカフェインは摂取してもいいのか、と疑問に思う妊婦さんは多いですが、結論、適量であれば摂取しても問題はありません。しかし、過剰に摂取することは好ましくありません。カフェインは胎盤を通じて胎児に届きますが、胎児の体は未発達のため、カフェインを分解する能力が低く、カフェインを摂取すればするほど、その影響を受けやすくなっています。カフェインは、中枢神経を刺激し眠気を覚ますなどの効果があるため、眠気覚ましとして頼れる存在ではあると思いますが、適量の摂取を心がける必要があります。また、カフェインレスの飲み物で代用することがおすすめです。

 

2. カフェインが胎児に与える影響

カフェインの影響で特に心配されるのが、流産や早産のリスクです。カフェインを過剰に摂取すると胎児の発育が遅れる可能性があり、特に妊娠初期のカフェインの過剰摂取が流産のリスクを高めることがあるという研究結果があります。また、妊娠後期にカフェインを多く摂取すると、赤ちゃんが低体重で生まれてくるリスクも増える可能性もあります。さらに、より多くのカフェインを摂取した場合、赤ちゃんが生まれた後にカフェイン依存症のような症状を引き起こすことも考えられます。産まれてくる赤ちゃんのことを考えると、カフェインの過剰摂取は避けたほうがいいことは一目瞭然です。

 

3. カフェイン摂取によるリスクとは?

カフェインを過剰に摂取することは、胎児の成長に悪影響を及ぼすだけでなく、妊婦さん自身の体調不良を引き起こすリスクも高めます。例えば、カフェインは利尿作用があり、体内の水分が不足しやすくなるため、脱水症状を引き起こすことがあります。脱水が続くと、妊娠高血圧症候群やむくみを悪化させる恐れがあります。また、カフェインには胃酸の分泌を促進する作用があるため、胃腸が敏感になりやすい妊婦さんにとっては、胃痛や胸焼けを感じることもあります。さらに、カフェインは心拍数を上げる効果があるため、妊婦さんの心臓に負担をかけてしまいます。妊婦さん自身の体を守るためにも、カフェインの摂取量には気をつけなくてはなりません。

 

4. カフェインを多く含む飲み物は?

カフェインを多く含む飲み物として代表的なのは「コーヒー」です。特にエスプレッソや濃いめのコーヒーはカフェインの含量が高く、1杯で摂取するカフェイン量が多いです。また、コーヒーほど多くはありませんが、紅茶や緑茶もカフェインを含んでおり、コーヒーと同様に、摂取量には気をつける必要があります。加えて、エナジードリンクやカフェイン入りの炭酸飲料にもカフェインが含まれており、知らず知らずのうちに摂取してしまうことがあります。

 

・カフェインを含まないお茶

ハーブティーやフルーツティーはカフェインを含まないため、リラックス効果が期待できる飲み物です。特にカモミールティーやミントティーは、妊娠中でも比較的安心して飲めるお茶として人気があります。安眠をサポートする効果もあるため、妊婦の方におすすめです。ただし、ハーブティーの中には、妊娠中の摂取を避けたほうがよい種類もあります。どのハーブティーを選べばよいか迷った場合は、定期健診の際に産科の医師に相談することが大切です。

 

・カフェインレスのコーヒーや紅茶

カフェイン摂取を控えめにしたい妊婦さんには、カフェインレスのコーヒーや紅茶がおすすめです。最近では、手軽に手に入れることができ、味の種類も豊富に販売されています。

 

5. 妊娠中は1日にコーヒー2杯まで

妊娠中のカフェイン摂取量は、1日あたり300㎎以下が推奨されています。この量は、約2杯のコーヒーに相当します。特に、カフェインを多く含む飲み物を何回か飲んでしまうと、知らず知らずのうちに摂取量が増えてしまう可能性があります。カフェイン摂取量を抑えることで、赤ちゃんの発育に及ぼすリスクを減らし、安全に過ごすことができます。

 

6. 誤ってカフェインを摂取してしまったら

カフェインを摂りすぎないように意識していても、気がついたら1日の摂取量のラインを越えてしまったということもあるかと思います。そのような場合でも、まずは不安になりすぎないことが重要です。もし一度に大量のカフェインを摂取したことに気付いたら、水分補給をこまめに摂り、安静にしつつ、自分の体調の変化に気をつけましょう。妊娠中は母体の些細な体調の変化が、赤ちゃんの健康状態に影響します。妊婦さんは、カフェインの摂取量を意識することが大切です。カフェインを過剰に摂取してしまった場合は、早めに産科に相談することが大切です。